ITリテラシーという言葉をご存じですか?リテラシー=読解力。つまり、ITの理解力のことをさします。昨今、ITリテラシーの必要性を盛んに叫ばれています。マーケターを目指す身にとってもITリテラシーは重要なものだと感じています。マーケターになぜITリテラシーが必要なのか。リテラシーの意味もあわせ、くわしくお話していきます。
ITリテラシーの意味。そもそもリテラシーとは。ITリテラシーが低いと起こる問題。
ITリテラシーとは
ITリテラシーとはITに関わる情報や操作に関する知識など、ITの見識力をあらわす言葉です。リテラシー(literacy)は直訳すると読解記述力という意味。もともとは文章を正確に理解できる能力として使われていました。しかし現代では、その物事に関する見識を十分に持ち活用することができる力を表すようになっています。
ITリテラシーとざっくりお話しましたが、ITの知識を持っているだけではITリテラシーが高いとはいえません。実はITリテラシーという言葉は存在しないのです。なぜなら、ITを正しく理解するには、情報リテラシー、コンピューターリテラシー、ネットリテラシーなど複数のリテラシーを合わせないとできないからです。
ITリテラシーと言っても場所によって意味が違ったりもします
情報リテラシー
リテラシーで一番よくつかわれる意味が情報リテラシーです。情報基礎リテラシーとよばれることもあるこのリテラシーは、膨大な情報のなかで、いかに正しい情報を見つけられるか、持っている情報を活かせるか。という力を表しています。
ネットがここまで生活になじむようになったのは、実はスマホが普及したことにあります。それまで、ネットを操作するにはPCへの深い知識が必要でした。
まず接続するには有線でつなぐことがほとんどだったので接続への知識が必要でした。接続速度も遅く、そこから必要な情報を検索することも気軽に投稿することも難しい時代がありました。ネット黎明期は今のような検索エンジンサイトも存在せず、URLを直接打ち込んで検索していたからです。その後、Yahoo!のように検索エンジンサイトが現れましたが、ロボットで自動的に検索エンジンにインデックスされることはなく有用な情報であると認められた場合のみエンジンに表示されていたのでネットにある情報は洗練されたものが多かったのです。
携帯が普及し、誰もがどこでも手軽にネットにつなげられるようになりネットの利用層が一気に広がりました。旧来はブログを立ち上げるか有名なサイトに情報を載せてもらうことで拡散させていたものが、SNSが広まったことで素人でも情報の拡散が容易に行えるようになりました。
しかし、誰でも自由に発信できるようになった反面、情報の精査がより必要になりました。どんな情報をどこの誰が何の目的で出しているのかを考えなくてはいけなくなったのです。著作権侵害や無断転載も横行するようになり、ネットは無法地帯になりつつあります。
このあふれ出る情報の中で正しい情報を見つけ出し、上手に活用する力はマーケターには欠かせないものと言われています。マーケティングはそれらの情報をリサーチで洗い出し、どうすれば効果が上がるのかを考える仕事だからですね。
数多くの情報から必要なものだけを取り出すのって結構大変ですよね
コンピューターリテラシー
コンピューターリテラシーとは、コンピューターを操作できる能力のことです。
キーボードやUSBなどのハードウェアに関する知識や、パソコンを動かすソフトウェアのことなど、コンピューターに関する全般的なリテラシーのことをさします。
たとえば、コンピューターを起動するにはどうすればいいか?という簡単なことから、パソコンの仕組み、表計算ソフトのような事務ソフトの操作方法、プログラミング言語までと、幅広い知識がその範疇に含まれます。
これらが重要なわけは、デバイスをどう使えばどうなるのかを知っておくことは正しい操作につながるからです。たとえば、何かをエラーが起こったときにコンピューターリテラシーが高ければ原因を推測し解決に乗り出すことができます。致命的なエラーが起きたときに、すぐに業者を呼べればいいですができない時もありますし、WEBを扱う人間にとっては必要な知識だと分かりますね。
かくいう私も、コンピューターリテラシーは高いとは言えません…。勉強していこうと思っています。
ネットリテラシー
この言葉がITリテラシーと呼ばれることが一番多いリテラシーかもしれません。ネットリテラシーとは、ネットを正しく使えるかどうかを表す言葉です。
ネットには匿名の情報が溢れます。良い情報も数多くありますが、中には悪意を持った情報源も含まれているのです。
リンクを踏むと詐欺サイトに飛ばされたり、個人情報の悪用などですね。
他人から受ける悪事だけではなく、知らず知らずのうちに自分たちが悪事を行っていることもあります。真偽のわかっていない噂話を話して混乱させてしまったことや、著作権のある画像と分からずに使ってしまった、などがあげられます。
ネットリテラシーに関しては昨今は常識力として企業に就職する際も問われるようになってきました。情報の漏えいは時には重大なトラブルにつながるからです。
たとえば、顧客リストの入っているパソコンを不容易に持ち出し盗まれた場合も責任に問われることを知っているかなどをたずねられます。
幅広い世代がネットを操作する。ということは、未成年もネットに接続し、自由に書き込みが行えるということです。知らないうちに危険な目に合わないために自衛策としてネットリテラシーは高めておくべきです。
昨今は義務教育の中にITリテラシーに関する教育が行われるようになりましたが、実践的な教育は少なく、まだまだ不十分であると言えます。そのうえ、ネットの情報もセキュリティ対策も日に日に変わっていくものなので、前線に立つ人々でも常に勉強は欠かせません。
なぜ
ところで、なぜリテラシーの話を急にしたのかと思うのではないでしょうか。それは、私のやりたいことの一つに日本のIT化を推進したいという思いがあるからです。
それは、コロナが蔓延するようになり、企業は通販やリアルタイム情報を送れるようIT化を急務としていますが、それでもなおネットに参入できずにいる企業がいるのはよく分からないというのが理由になっていると考えたからです。
昔と比べ、サイト制作の難易度は下がっていると言われていますが、いまだ難しい点も多くあります。作るだけなら簡単でも、そこから継続したり効果をあげるのは専門知識が必要になるからです。
常々お話していますが、かくいう私もリテラシーが高いわけではありません。だからこそ言えるのですが、これだけ簡単にネットを使える時代になったのだから、誰でも使えるようになったからこそ、誰でも正しく使えるようにするシステム作りが必要だと思います。
また、リテラシーが低いと起こるのは、個人だけの問題ではないのです。
サイバーテロが引き起こす危険性
今後10年以内に半数の仕事が人工知能に置き換えられると言われています。レジなどではいますでに置き換えが始まっていますよね。そう、セルフレジです。
今はレジ横に人が立って機械操作に困った人を助ける対面業務を行っていますが、いずれはそんな時も人工知能が代わりに答えるようになるでしょう。もしかすると、案内兼セキュリティロボットが導入されて案内と監視の両方をこなすようになるかもしれません。
このようにITの技術の進歩は目を見張るものがあります。日常のなかに組み込まれるようになり、よく分からないから手を出さないでいるということはできなくなるでしょう。
また、日本はかねてよりITが遅れていると外国から批判されてきています。その結果、たびたび海外からサイバー攻撃を受け重要なインフラを機能停止させられています。※参考1
インフラが破壊されると、経済的な打撃はもちろんなこと、医療機関にも影響を及ぼし人命にかかわることがあります。医療機関に関しては映画サマーウォーズを見ると分かりやすいかと思います。映画の中の世界だけではなく、実際に現実世界で医療機関への攻撃が行われています
※参考2
これらのことを踏まえますと、コロナの今だけではなく、今後ますますIT参入は必要になってきます。
まとめ
ITリテラシーには複数の意味がある。
マーケターを目指す人間にとってリテラシーを高めるのは重要。
リテラシーが低いと起こる問題は個人だけの問題ではない。
生活に欠かせなくなったネット。詐欺にあったりネット障害があったときの対策を知っておけば自分の身を守るだけではなくライフラインを守ることにつながります。今後も勉強していきたいと思います。